日本では20歳以上の約2人に1人が高血圧を抱えており、高血圧を予防できれば年間で10万人もの命を救えると言われています。しかし、多くの人が高血圧を改善するために具体的に何をすべきかを知らないのが現状です。そこで今回は、血圧を下げるための具体的かつ効果的な生活習慣の見直し方について詳しく紹介します。
高血圧になる原因
日本人が高血圧になるのは、塩分の取りすぎによるものが大きいと考えられています。このほか、肥満や飲酒、ストレスの蓄積なども原因です。ほとんどの高血圧は、このように特別な原因がなく起こる本態性高血圧であると言われています。
高血圧を改善する方法
では、高血圧を改善するための具体的な方法について見ていきましょう。
1. 塩分摂取量を制限する
高血圧の予防には、塩分摂取量を1日6g未満に抑えることが推奨されています。塩分を控えるために、次のような工夫をしましょう。
- 加工食品の摂取を控える
- 料理には天然のハーブやスパイスを使って風味をつける
- 醤油や味噌の使用を控える
2. カリウムを摂取する
カリウムにはナトリウムの排出を促進し、血圧を下げる効果があります。「日本人の食事摂取基準2020年版」では、男性で1日あたり2,500mg、女性で2,000mgのカリウム摂取が目安とされています。カリウムを多く含む食品には次のようなものがあります。
- バナナ
- ホウレンソウ
- アボカド
- サツマイモ
3. 適正体重を維持する
肥満は高血圧の大きなリスクファクターです。BMIが20未満の方が高血圧を発症するリスクを1とすると、BMI25.0~29.9の方は1.5~2.5倍も発症しやすいことがわかっています。適正体重を維持するためには、バランスの取れた食事と定期的な運動が必要です。
4. 適度な運動を行う
運動は血圧を下げるのに効果的です。1回10分以上の運動を1日に合計40分以上行うことを目標にしましょう。軽い運動で十分ですので、ウォーキングやジョギング、サイクリングなどを日常生活に取り入れましょう。
5. 節酒・禁煙を行う
アルコールとタバコは血圧を上昇させる原因となります。男性はビール中瓶1本、女性はビール中瓶1/2本程度に抑え、禁煙を心がけましょう。飲酒量を減らすことで、血圧管理が容易になります。
高血圧と言われたら病院を受診することも大切
高血圧には自覚症状がほとんどありません。そのため、「血圧が高めですね」と健康診断などで言われてもとくに治療を行っていない方もいます。しかし、高血圧を放っておくと動脈硬化を起こし、脳梗塞や心筋梗塞など命に関わる病気を引き起こすこともあるのです。
高血圧はサイレントキラーであることを忘れずに、指摘されたらきちんと病院を受診して適切な治療を行うようにしましょう。
まとめ
高血圧は生活習慣の改善で予防・改善することが可能です。塩分の制限、カリウムの摂取、適正体重の維持、適度な運動、節酒・禁煙など、日常生活でできる具体的な方法を実践することで、薬を使わずに血圧を下げることができます。高血圧はサイレントキラーとも呼ばれ、自覚症状がないまま健康を蝕む恐ろしいものです。日々の生活習慣を見直し、健康な生活を送りましょう。
コメント