シミ・シワ・ニキビなどの代表的なトラブルに加え、多くの方が悩んでいるのが「肌のキメ」。キメが失われた肌は印象が悪くなるだけでなく、様々なトラブルの原因にもなりかねません。
今回はそんな肌のキメを整えるにはどうすれば良いのか、効果が期待できる美容医療の数々をご紹介します。肌のキメが失われる原因や、肌に良いとされる成分についても併せて確認していきましょう。
肌のキメが粗いことで与える印象とは
「肌のキメ」という言葉は頻繁に聞きますが、実際にどんな状態を指す言葉なのでしょうか。肌のキメとは、肌表面の滑らかさを指します。キメが粗い肌は凸凹としており、見た目はもちろん手触りの悪さが気になることも多いでしょう。キメの整った肌は剥きたてのゆでたまごのようにツルツルとしており、光を反射することでツヤが現れ、生き生きとした印象に近づけます。
さらに詳しく見てみると、肌の表面には細かな溝が張り巡らされているのが分かります。この溝は「皮溝」と呼ばれていますが、皮溝が規則的に並んでいるのがキメの整った肌の特徴です。皮溝が細かく張り巡らされていると摩擦や乾燥といったダメージにも強くなり、トラブル知らずの健康的な肌を目指せるでしょう。
遠くから見ると分かりにくいものの、近くから見ると気になる方も多い肌のキメ。実際にキメが粗くなると、どんな印象になるのか見ていきましょう。
荒れた印象
肌のキメが粗い状態は、肌がデコボコとしていて荒れたような印象になることがあります。シミやシワといったトラブルが目立ちやすくなるほか、先ほどご紹介した皮溝が深くなり、ハリ感が失われてしまうのも特徴です。
老けた印象
肌のキメが整っている状態は、すなわちハリ感のある若々しい肌といえます。皮溝が浅く細かく張り巡らされており、ふっくらとした印象に仕上がるでしょう。
一方、肌のキメが粗くなってしまうと、水分が飛んでシワが増え、実年齢よりも上に見られることが多くなります。シワや毛穴のたるみなどは目立ちやすいだけでなく、メイクがよれる原因となる点も注意が必要です。
健康的でない印象
肌のキメが粗くなる原因の一つに、「ターンオーバーの乱れ」が挙げられます。細胞の生まれ変わりが遅くなると同時に、古くなった細胞が排出されずに溜まることで、くすみの原因にもなるでしょう。肌の表面が凸凹するのに加え、顔全体がくすんでしまうため、顔色が悪く体調が悪そうな印象にもなりかねません。
自分は元気なのに周りから心配されることが増えたり、普段使っているファンデーションの色味が合わなくなったりした場合は、肌のキメをチェックしてみることをおすすめします。
肌のキメが失われる原因
誰しもが起こりうるトラブルでありながら、顔の印象を大きく変えてしまうため注意が必要な肌のキメ。荒れる原因は人によって様々ですが、そのどれもが日常の生活に潜むものばかりです。まずは肌のキメが失われる代表的な原因をチェックし、今後の予防に役立てましょう。
乾燥
肌のキメが失われる原因としてもっとも多いのは「乾燥」です。細胞一つひとつから水分が失われ、皮溝と皮溝の間の部分「皮丘」のふくらみが減少してしまいます。皮丘のふくらみが不規則になると、皮溝のラインも曲がったり広がったりすることとなり、キメの粗さに繋がってしまうのです。
また、皮溝や皮丘が等間隔に並んでいないと、外部刺激によるダメージを受けやすい状態になってしまいます。普段は影響がないレベルの摩擦や紫外線が大きなトラブルにつながるばあいがあるため、「たかがキメの粗さ」と油断せず、適切なケアを始めることが大切です。
加齢
誰しもが注意しなければならない加齢によるトラブルは、肌のキメに関しても同じことがいえます。加齢によって肌のターンオーバー周期が乱れると、肌の表面に古い角質が溜まってしまいます。本来排出されるべき角質が溜まって厚くなると、さらに新たな細胞が生まれにくくなるといった悪循環が発生してしまうでしょう。
古くなった角質は水分を失って硬くなりやすいのが特徴です。硬い角質が肌の表面を覆ったままでは、肌のキメが失われるだけでなく、化粧水や美容液といった成分も浸透しにくくなってしまいます。一生懸命セルフケアをやっても変化がないばかりか、十分に保湿されない可能性があるため、なるべく早い段階で美容医療による施術を検討するのがおすすめです。
間違ったスキンケア
自分に合わないスキンケアを続けた結果、肌に長期間刺激が加わってしまい、肌のキメが荒れてしまうことがあります。インナードライ肌などで水分が不足しているにもかかわらず、美白やアクネケアなどのスペシャルアイテムをメインとして使ったり、保湿を怠ったりしている場合は注意しましょう。スペシャルケアはあくまでも十分な保湿を行い、肌のバリア機能がしっかりとはたらいている状態で試すのが大切です。
また、スクラブ入りの洗顔料を使うなど、肌に必要以上の摩擦が加わっている場合も注意が必要です。摩擦によるダメージは肌のキメを粗くする要因となるため、スクラブやフェイスパックなどは週1程度に留め、普段の保湿ケアを入念に行うことをおすすめします。
生活習慣の乱れ
顔の細胞が生まれ変わるためには、成長ホルモンが必要不可欠です。身長を伸ばす・体を大きくするといった目に見える変化はすべて、細胞の生まれ変わりによって行われていることを覚えておきましょう。つまり、肌を若々しく、そしてキメ細やかに保つためには、成長ホルモンの分泌を促進することが大切なのです。
食事・運動・睡眠といった生活習慣が正しく行われていると、成長ホルモンが豊富に分泌され、細胞のターンオーバーが促進されます。特に良質な睡眠はホルモンの分泌に大きく影響を及ぼすため、毎日同じ時間に眠ることを心掛けたり、寝る前にスマートフォンやPCを触らずブルーライトによる刺激を防いだりといった工夫をすると良いでしょう。
紫外線
肌のキメが悪くなると同時に、様々なトラブルを引き起こしがちなのが「紫外線」です。肌に良い影響は一つも与えないのに加え、年々紫外線が激しく降り注ぐ日が増えており、これまで以上に入念な対策が必要となるでしょう。たとえ短時間であってもデリケートな顔の皮膚には大きな影響が及ぶため、日焼け止め・日傘・UVカット効果のある衣類などで対策を行うことが大切です。
紫外線には「UV-A」と「UV-B」という波長があります。UV-Aは肌の真皮層まで達し、メラノサイトを活性化させてシミを招いたり、コラーゲンやエラスチンを破壊して肌のハリを低下させたりといった影響を及ぼします。「UV-B」は肌の表皮に作用し、炎症を起こして肌に軽いやけどを引き起こしたり、メラニン色素を定着させてシミを作り出したりといったはたらきをしています。
つまり、ひとたび紫外線を浴びてしまうと、UV-A・UV-B両方の作用で肌が奥深くからダメージを受け、キメの粗さどころかシワ・たるみ・シミ・ニキビ・毛穴など様々なトラブルへと繋がってしまうのです。晴れの日を100%とした場合、曇りの日は約60%、雨の日は約30%の紫外線が降り注いでいるといわれています。紫外線が全くゼロになる日はないため、必ずケアをした上で過ごすことが大切です。
血行不良
先ほども触れたように、肌のキメを整えるためには正常なターンオーバーが必要不可欠です。これには良質な睡眠によって分泌される成長ホルモンはもちろん、肌の隅々に血液が届いていることが大切です。そのため、血行不良に陥っている方ほど、肌のキメが粗くなりやすいでしょう。
私たちの体内では、血液が酸素と栄養分を運んでいます。重要な臓器から末端の細胞まで、どんな組織であっても酸素と栄養が必要不可欠です。身体が冷えやすい方やむくみが気になる方、食生活が乱れている方などは知らず知らずのうちに血行不良となっている場合があるため、生活習慣の見直しが必要といえるでしょう。仕事や家事・育児などで慢性的にストレスが溜まっている方も注意が必要です。
肌のキメを整える美容成分
肌のキメを整えるためには、バランスの良い食生活を送ることも大切です。とはいえ身体に良いとされている成分を全て摂取するのは難しく、1日や2日でチャレンジが終わってしまうことも多いでしょう。今回は肌のキメを整える美容成分に着目し、それぞれどんなはたらきをしてくれるのかをお紹介します。
ヒアルロン酸
肌の内部で水分を蓄え、ハリ感を生み出すために重要となるヒアルロン酸。化粧品や食品にも多く含まれており、意識して摂取しやすい成分の一つです。コラーゲンやエラスチンといった成分の隙間を埋める役割も担っているため、肌の保水力を保つためには欠かせません。
セラミド
セラミドは私たちの肌に多く含まれていることから、化粧品や美容医療での薬剤として使われる場合も拒否反応が起こりにくく、安全に使いやすい成分として知られています。
加齢によって徐々に減少してしまうため、年齢が上がるにつれて積極的に取り入れたい成分でもあります。角質層にある細胞同士の隙間を埋めてくれているため、内部の水分が抜けてしまうのを防ぐはたらきがあり、保湿ケア成分としても活躍するでしょう。
コラーゲン
肌の真皮層に多く存在しており、肌のうるおいを保持する役割のあるコラーゲン。何と人体のタンパク質の約3割がコラーゲンであり、多量の水分を蓄えられる貴重な成分の一つです。
コラーゲンが失われることで肌が乾燥しやすくなるのはもちろん、関節が動きにくくなったり、骨が脆くなったりする場合もあります。コラーゲンはエラスチンとセットではたらいているため、摂取する場合も両者をバランス良く補うことが大切です。
エラスチン
エラスチンはコラーゲン同士を束ね、肌に弾力を生み出すはたらきのある成分です。肌に内側からハリ感を出すためには、コラーゲンとエラスチンが両方必要であり、どちらが欠けても成り立たないことを覚えておきましょう。
また、エラスチンは末梢血管の血流を良くするはたらきも担っているため、顔の細胞が正しく生まれ変わるためにも重要な成分です。コラーゲン同様に加齢とともに減少しやすいため、日々の生活の中で積極的に補ってあげましょう。
ビタミンC
言わずと知れた美容成分の一種であり、健康のためにも定期的に摂取したい「ビタミンC」。肌の老化を防ぐ「抗酸化作用」に優れており、保湿・美白・引き締めなど様々な効果が期待できます。化粧品に含まれていることも多い成分ですが、光や温度といった刺激で簡単に変性してしまうため、取り扱いが難しいというデメリットがあります。
ビタミンCを積極的に摂取することで、コラーゲンの生成が促進されたり、皮脂の過剰分泌を抑えて健やかな環境を保ったりできるのもポイントです。十分に保湿され環境の整った肌は、キメが細かくトラブルに負けない強さを持てるでしょう。
ビタミンA（レチノール）
レチノールとも呼ばれるビタミンAの一種は、神経芽細胞を刺激し、新たな細胞が生まれるのを手助けする役割を担っています。下から健康な細胞がどんどんと生まれるにつれ、古い細胞が押し出され、効率的に排出されるのが特徴です。水分を失って硬くなった角質が排出されることで、肌のキメが整い、若々しい印象へと近づけるでしょう。
レチノールの配合された化粧品や医薬品を使うと、稀に赤みや皮むけといった副作用が見られる場合があります。これは急激にターンオーバーが促進されたために、古い細胞の排出が追いつかず、目に見える状態となって現れているためです。こういった反応が起こる製品は濃度が高く効果も強いのに加え、肌が非常にデリケートな状態となるため、取り扱いには注意が必要です。
肌のキメを整える食べ物はある？
上記でご紹介した美容成分は、化粧品や医薬品などに加え、食材から摂取するのも大切です。もちろん医薬品のように急激な変化を感じることはできませんが、今後のトラブルを予防したり、症状が悪化するリスクを抑えたりするために有効といえるでしょう。
| 成分 | 食べ物 | ポイント |
| ヒアルロン酸 | 牛すじ/鶏手羽/豚足
フカヒレ/スッポン/魚の皮など | 体内に吸収されにくいため
多めに摂取する |
| セラミド | こんにゃく/ワカメ/ひじき
大豆/小豆など | – |
| コラーゲン | 牛すじ/鶏手羽/豚足
フカヒレ/スッポン/魚の皮など | 同時に脂質を摂り過ぎない |
| エラスチン | 牛すじ/鶏手羽など | 摂取が難しいため
エラスチンの元となる タンパク質の摂取が重要 |
| ビタミンC | アセロラ/ブロッコリー
パプリカ/キウイなど | 水に溶けやすく
熱で壊れやすい性質がある |
| レチノール | 鶏レバー/豚レバー/海苔
うなぎ/イカなど | – |
肌のキメを整える美容医療
肌のキメを整えて美肌を目指したいと考えている方は、美容医療による施術を検討するのがおすすめです。スキンケアでは改善できない症状であるため、適切な施術を受けることにより、短期間で理想の仕上がりを目指せるでしょう。
今回はバイオスタイルクリニックで受けられる様々な美容医療の中から、肌のキメを整えたい方におすすめのものをピックアップしてご紹介します。
エレクトロポレーション
従来のイオン導入に比べ、成分の浸透率が20倍にもアップしたといわれる最先端の施術「エレクトロポレーション」。電気の力で細胞同士に一時的な隙間を開け、その間を狙って有効成分を浸透させることで、肌の表面に塗るよりも効率的に効果の実感を目指せます。針を使わないため肌に傷が残らず、ダウンタイムが短く済むのも特徴の一つです。
エレクトロポレーションでは肌悩みに合わせた様々な薬剤を使い、肌の奥深くへアプローチしていきます。肌のキメを整えたい場合、まずはキメが粗くなった原因を追求し、もっとも適した薬剤を塗布します。これにより乾燥した肌は保湿され、老化気味の肌は細胞分裂を促すなど、一人ひとりに合った施術が可能となるでしょう。
IPLフォトフェイシャル
肌の浅い部分から深い部分まで、これ一台で対応できる光美容機です。肌の内部に熱を加えることによって小さな傷ができ、創傷治癒効果のおかげでコラーゲンやエラスチンの生成が促進されます。さらに成長因子やヒアルロン酸・ビタミンCといった薬剤を組み合わせることで、より自分の状態に合った効果を実感できるでしょう。
IPLフォトフェイシャルは広範囲をスピーディに施術できるため、全顔メニューであっても15分程度で完了するのが特徴です。忙しく長時間の確保が難しい方や、滞在時間をなるべく減らしたい方などにもおすすめの施術です。
水光注射
その名の通り、みずみずしく光輝くような美肌を目指せるとして評判の水光注射。エレクトロポレーションやIPLフォトフェイシャル同様、自分の状態に合った薬剤と組み合わせて使うタイプの施術です。肌に直接針を刺して美容成分を注入するため、ピンポイントでのアプローチが可能であり、顔全体にダメージを与えることなく施術ができるでしょう。
また、針を刺したときの傷に創傷治癒効果がはたらくことで、コラーゲンやエラスチンの生成が促進されるのも大きなメリットの一つです。
ダーマペン
水光注射は1本の針が付いているのに対し、ダーマペンには先端に16本の細かな針が搭載されています。使用する部位に合わせて針を刺す深さを選べるため、顔の凹凸に合わせて適切な施術ができるでしょう。細かな針のため痛みを感じにくく、ダウンタイムが短く済むのも特徴です。
ダーマペンはその名の通りハンドピースがペンの形をしており、先端も小さく作られている機械です。頬や顎周り・額といった広い面はもちろん、小鼻や目の周りなどの細かい部分にもしっかりと対応できるでしょう。
再生医療による肌の若返りを実現
バイオスタイルクリニックでは、健康・美容の両面において再生医療による治療を行っています。美容の面では肌の若返りを目的とし、老化に抗いながら現時点でもっとも美しい自分を目指します。誰にでも起こりうる老化を防ぐことは、今回ご紹介した肌のキメはもちろん、さまざまなトラブルを防ぐことにも繋がるでしょう。
肌のトラブルは人によって様々であり、原因や対策も多種多様です。まずはカウンセリングにお越しいただき、医師が直接肌の状態を診ながら最適な施術をご提案します。生活スタイルや理想とする仕上がり・予算なども合わせて相談できるよう、一人ひとりに十分な時間を確保し、相談しやすい環境を整えてお待ちしております。
まとめ
肌のキメはほんの少しのダメージで失われてしまうため、現時点で悩んでいる方はもちろん、肌に自信がある方でも注意しておかなければなりません。まずは今回ご紹介したセルフケアに挑戦しながら、自分に合う美容医療を探してみましょう。
肌の状態を改善するためには、時として何回もの通院が必要であったり、思ったよりも長い時間がかかったりする場合があります。悩みを抱えた状態が長く続かずに済むよう、思い立ったその日に一歩踏み出してみることが大切です。
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